ハンドルネーム: ラーメン大学生
休日のお昼時、いつものように自分はお気に入りのラーメン屋に足を運んだ。この店は、少し前にテレビで取り上げられたことで一気に人気が出てしまった。以前は知る人ぞ知る名店で、そこまで混んでいなかったのだが、今では長い行列ができるほどだ。嬉しい気持ちもあるが、昔のように気軽に行けなくなったのが少し寂しい。
店の前に到着すると、案の定、長蛇の列ができていた。仕方なくその列に並び、待つことにした。しばらくすると、アジア系の外国人家族が私の前に割り込んできたのだ。父親、母親、そして中学生くらいの子供の三人家族だった。驚きと苛立ちが込み上げてきたが、冷静に英語で「Please get behind the line.」と伝えた。しかし、母親と思われる女性がよくわからない言語でまくし立ててきて、後ろに並ぶ気配が全くない。
その時の自分は、まるで火がついたように腹が立った。ここで引き下がるわけにはいかないと思い、日本語で「後ろに並んでください!」と強い口調で叫んだ。しかし、相変わらずその女性はわけのわからない言語で騒ぎ続けている。
このままでは収まりがつかないと感じていた矢先、店の中から店長が現れ、何事か確認しに来た。状況を聞かれた際、「この家族が割り込んできたんです」と説明した。前後の人たちも自分の言い分を支持してくれたため、店長はその家族に対して「日本ではこういうことは許されません」と言った。
母親は何やら自分を非難するような言葉を続けていたが、店長が、その母親が話しているであろう言語でその家族に話しかけた瞬間、状況は一変した。家族は何やらぶつぶつ言いながらも、後ろに並び直すことなく去って行った。自分の心はすっかり晴れやかだった。
待ち時間は長かったが、ついに自分の番が来た。店内に入り、いつものように注文を済ませて席に着いた。いつもと同じ味のラーメンを楽しんでいると、ふと気づいたことがあった。いつもよりチャーシューが多いのだ。無口な店長の気遣いに、心が温まった。
あの家族が去った後の静けさと、店長の優しさに感謝しながら、最高のラーメンを楽しんだ。このラーメン屋の混雑も、これからの楽しみの一つとして受け入れることにしよう。
(掲載に当たっては、本人の許可を得ております。)