ハンドルネーム:スカッとママ
タワーマンションに引っ越してきた日のことは、今でも鮮明に覚えています。念願のマイホーム、タワマンでの新生活を家族全員が楽しみにしていたんです。ところが、「隣人ガチャ」は完全に外れでした。
私たち家族は、夫と私、それに小学生の子ども2人の4人暮らし。立地が良く、清潔な環境で子どもたちを育てたいという思いから、このマンションを選んだんです。敷地内の清潔さ、ルールの厳守、そして何より、このマンションは「喫煙」に非常にうるさいという評判に惹かれました。ベランダは共有部なので、もちろんタバコは禁止です。
しかし、隣に住む家族の旦那は違いました。タバコを吸うことを何とも思っていないようで、ベランダで堂々とタバコを吸い始めたんです。それも、私たちが引っ越してきた初日から!
もちろん最初は、常識的に対応しました。管理人さんを通して注意してもらったんですが、そいつは一向にやめる気配がありません。「タバコ吸ってる証拠でもあんの?」という声が聞こえてきました。私たちが直接お願いしても、鼻で笑って無視。ベランダでのタバコは頻繁で、特に夏場、窓を開けて網戸にしていると、タバコの煙が風に乗って家の中に入り込んでくるんです。
臭いし、不愉快で、子どもたちにも悪影響だと思いました。タバコを吸わない私たちにとって、これは大きなストレスでした。でもそいつは何も気にしない様子。毎晩のようにベランダで一服しては、我が家のリビングにまでその煙を漂わせるんです。
そんな状態が続いて数ヶ月が経った頃、ある変化が起こりました。隣のベランダから漂ってくるタバコの煙が、急に減ったんです。最初は、まさか改善されたのか?と少し喜びましたが、その理由を知った時には激しい怒りがこみ上げてきました。
どうやら、そいつの妻が妊娠したらしいんです。それでその旦那は、自分の子どものためにタバコを控え始めたという話を耳にしました。今まで私たちがどれだけ迷惑を被ってきたか、一切考えずに、自分の家族ができた途端に止める?信じられませんでした。
「自分の子どもができたからタバコをやめる?今まで散々迷惑かけておいて。」
この時、私は確信しました。もうこの家族に対して遠慮は一切必要ない。絶対に許さない、と。
それから、私は計画を立てました。まず、私たち家族はタバコを吸わないので、紙タバコをわざわざ買ってきました。そして、「煙」を送るために、ハンディ扇風機も用意。
夜、風の向きをしっかり確認しながら、私はベランダでタバコに火をつけました。もちろん吸うつもりはないので、タバコから出る煙をハンディ扇風機で隣に送ります。風向きを調整して、隣のベランダへ直撃させるようにしました。
その効果はすぐに現れました。数日後、隣から夫婦の激しい喧嘩の声が聞こえてきたんです。
「あなた、まだタバコ吸ってるでしょ?この前もベランダから臭いが漂ってきたんだから!子どもに何かあったらどうするつもりなの?!」
隣の妻が旦那を責め立てている声がはっきりと聞こえました。その時の私の心の中は、復讐の気持ちで満ちていました。その旦那の困った顔が目に浮かび、私の胸はスカッと晴れました。
その後も、私の復讐は続きました。タバコの煙をハンディ扇風機で送りつけ、そのたびに夫婦は喧嘩を繰り返していました。その妻は妊娠中ということもあり、タバコのことを敏感に感じていたのでしょう。「子どものためにやめろ」と強く詰め寄る声が頻繁に聞こえてきました。
喧嘩はエスカレートしていき、二人の関係はますます悪化していきました。ある晩、隣の家から大きな物音と叫び声が聞こえ、旦那が部屋を飛び出していくのを目撃しました。
私はそんな光景を眺めながらも、何の罪悪感も感じませんでした。今まで私たち家族が受けてきたストレスと迷惑に比べれば、こんなのまだ甘いくらいだと思いました。私は、この復讐を続け、その旦那をもっと追い詰めるつもりです。一生かけて、思い知らせてやる。それが、タバコを我慢し続けた私たち家族への思いなのです。
(掲載に当たっては、本人の許可を得ております。)