ハンドルネーム: タクロー
コンビニで立ち読みするのって、何気ない日常の楽しみだろ?大学の授業が終わったあと、特に予定もない日は、いつものコンビニに寄って雑誌を立ち読みするのが、俺にとってはリラックスする時間なんだよ。わざわざ雑誌を買わなくてもいいし、最新号を眺めて、買うか買わないかを決めるくらいの感覚でさ。
コンビニも、こういう立ち読み客をある意味ディスプレイ代わりに使ってるっていうのは、誰でも分かるだろ?人がいることで「この店は活気があるな」って印象になるし、実際に立ち読みしている客がいるからこそ、他の客もふらっと入ってくることがあると思うんだよね。
でも、最近になって妙にしつこいバイトが一人いてさ。俺と同じくらいの男に見えるんだけど、どこか暗い奴。毎回俺が雑誌コーナーで立ち読みを始めると、必ずそいつが雑誌棚の近くを掃除しに来るんだよ。最初は偶然かなと思ったけど、これが何度も繰り返されるようになると、流石に「これは嫌がらせか?」って疑い始めたわけ。
おかしいと思わないか?コンビニって普通、立ち読みOKなんじゃないのか?少なくとも立ち読み禁止なら、雑誌にカバーをかけるとか、明確に「立ち読み禁止」って書けばいいのに、そんなの一切なし。なのに、このバイトは俺が雑誌を手に取るとすぐにモップ片手に現れて、雑誌棚を執拗に掃除し始める。もちろん、俺が立ち読みしてる時だってわかってるはずなのに、あえてその周りを無理やり掃除してくるんだ。
で、その日も同じことが起こった。新刊が出てて、俺はいつものように雑誌を眺めていたんだけど、そいつがまたモップ持って現れてさ、俺のすぐ隣でモップを滑らせ始めたんだよ。さすがに「またかよ」って感じで腹が立ってきて、我慢の限界に達した。
「こいつ、絶対にわざとやってるな」
そう思った瞬間、俺は即座にスマホを取り出して、その場で本社に電話をかけたんだ。こういうことって、バイト本人や店長に文句を言っても意味がないのはわかってる。結局、上層部に直接話を通すのが一番早いからな。だから俺は、本社のカスタマーセンターに電話して、冷静に話を切り出したんだ。
「○○店なんですけど、雑誌コーナーでどれを買おうか見ていると、毎回毎回アルバイトが私の周りを執拗に掃除するという嫌がらせをしてきて、最近それがよりひどくなっているんですが、どういう指導をしているんですか?」とね。
俺は、直接バイトに文句を言うことはしなかった。いや、正確には「今すぐにでも言いたい」くらいに腹が立ってたけど、冷静に対処することにしたんだ。というのも、こういう時に頭に血が上って相手に直接ぶつかっても、こっちはただのクレーマー扱いされるだけだろ?だからこそ、もっと上のところに話を持っていくことが重要なんだよ。
で、念のため、俺の友人にも手伝ってもらって、同じような内容で本社に電話してもらったんだ。これは確実に動かすための作戦だ。俺だけがクレームを入れるのではなく、複数の声が集まれば、さすがに本社も動かざるを得なくなる。友人には「雑誌コーナーで立ち読みしていると毎回掃除されて、すごく不愉快だ」と言ってもらったんだけど、友人も快く協力してくれた。
さらに、もうひと押し。俺はその日のうちに、店長にも直接電話して文句を言っておいた。「雑誌を立ち読みしているのに、バイトがわざと嫌がらせのように掃除をするのは何なんですか?」とね。これで、本社と店側の両方にアプローチしておけば、さすがに無視はできないだろうと思ったんだ。
その結果だよ。それから数日後、あの根暗バイトは一切見かけなくなったんだ。何度かそのコンビニに行って雑誌コーナーで立ち読みしてみたけど、あのしつこい掃除もなくなったし、もちろんあのバイトもいない。明らかに辞めたんだろうな。店長か本社か、どっちがどう対応したのかはわからないけど、あのバイトが消えたことは事実だ。
俺としては、これでコンビニの立ち読みがまた快適にできるようになって、本当に晴れ晴れとした気持ちだよ。なんだか、長い戦いが終わったみたいな感じでさ。バイトなんて腐るほどいるんだから、わざわざ嫌な奴がそこにいる必要はないんだよな。今でもそのコンビニに通って、雑誌を立ち読みしてるけど、あの時の決断は間違ってなかったって心底思うよ。
(掲載に当たっては、本人の許可を得ております。)