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#0003 夕暮れのバスで見た、正義の裏返し

ハンドルネーム:都市のナレーター

私は普段、夕方のバスを利用して家路につく。その日も例外ではなかった。バスはいつも通りの混み具合で、優先座席には様々な人が座っていた。私は立ち位置から人々の様子をぼんやりと眺めていた。

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そんな平穏な時間に、ある高齢の男性が乗り込んできたことで事態は一変した。その男性は、見るからに登山の帰りと思われる服装をしていた。彼は、一緒にバスに乗ってきた高齢な女性に何かを話しながら、優先座席に座っている若者に目を向けた。その若者は少し顔色が悪く、疲れている様子だった。

その男性は突然、大声で若者に席を譲るよう要求した。「若いんだから立ってろ!お年寄りが立ってるんだぞ!こちらの女性に席を譲りなさい!」彼の声にバス内の空気が一変し、緊張が走った。しかし、若者は静かに「申し訳ありませんが、体調が…」と返答した。それにもかかわらず、その男性は容赦なく若者を責め立てた。

周囲の人々はその光景に戸惑いを隠せなかった。私もその一人だった。その時、予想外のことが起こった。バスに乗っている他の乗客から、その男性を非難する声が上がり始めた。「見た目だけで判断しないでください」、「誰だって体調が悪いときはある」。そして、最も衝撃的だったのは、その男性と一緒にバスに乗ってきた女性が彼に向かって「もう、私に話しかけないでください」と静かに言ったことだった。

その瞬間、その男性の表情が変わった。彼は何も言い返せず、ただ静かに頭を下げた。その後、その男性は、一緒にバスに乗ってきた女性を残し、逃げるように次の停留所でバスから降りていった。その男性が降りた後、バス内は再び平和な空気に戻り、若者は周囲から心配の声をかけられ、女性からも謝罪があった。

この出来事を通して、私は「見た目や第一印象だけで人を判断してはならない」という大切な教訓を得た。また、公共の場での配慮と理解の大切さを改めて感じたのだった。

(掲載に当たっては、本人の許可を得ております。)