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#0022 傘泥棒に仕掛けた白い仕返し

ハンドルネーム: 夜雨の男

俺は、あの日から、雨の日が嫌いになったんだ。都会の大学に通う20歳の学生。これは、あるコンビニで起きた傘盗難の話だ。

0022

最初に盗まれたのは、親が誕生日にくれた、特別なデザインの高価な傘だった。あの夜、突然雨が降り始めた。が、傘を持っている俺は焦ることはなかった。いつも通り近所のコンビニに行き、傘立てにその傘を置いて、用事を済ませたんだ。でも、戻ってきた時、俺の傘はもうなかった。コンビニで雨宿りしていた誰かが俺の傘を持っていったのだろう。間違えて持っていくことはない。あの傘は、そこらにあるような傘じゃないんだから。あれほど気に入っていた傘を失って、心がとても重かった。

それからしばらくして、再び突然の雨がやって来た。俺は同じコンビニに行った。今度はただのビニール傘を使ってね。でも、信じられないことに、そのビニール傘まで盗まれたんだ。これには、もう我慢ならなかった。二度あることは三度ある。それで、俺はある計画を思いついた。

計画は単純だった。次に雨が降る日、俺は二本の傘を持ってコンビニへ行く。一本は俺が使う普通のビニール傘、もう一本は「特別な」傘だ。その特別な傘の中には、小麦粉を少し仕込んでおいた。もし誰かがそれを盗んで開いたら、間違いなく顔面蒼白の展開が待っている。

雨が降った夜、ついに待ったこの時が来た。コンビニの入り口に着くと、俺は小麦粉を仕込んだ傘をそっと傘立てに置いた。もう一本の傘を手に店内へ。少しすると、ついにその瞬間が訪れた。スーツを着た20代くらい女性が、俺の傘に手を伸ばしたんだ。彼女は何気なく傘を手に取り、店を出て行った。

女性が傘を開いた瞬間を見逃さないように、俺は急いで店の外に出た。雨の中、彼女が傘をパッと開くと、その瞬間、小麦粉が空から降り注ぎ、彼女の頭に雪が積もった。

彼女は驚きと困惑で声を上げた。道行く人は、その声で彼女を見る。俺はその様子をスマホでばっちり録画していた。この映像は、ただの証拠以上のものだ。これは、盗みを働く者への明確な警告だったのだ。

その後、彼女は傘を放り捨て、小麦粉を払いながら雨の中急いでその場を走り去った。俺は彼女を遠くから見守りながら、内心でほくそ笑んだ。これでまた傘を盗む気になる人が減るだろう。

事が終わった後、俺はその映像をサークルのグループラインに投稿した。驚きと笑いが広がる中、俺は満足感に浸っていた。しかし、それだけで終わらなかったんだ。なんと、その映像に写っていた女性が、実はサークルの先輩の知り合いだという事実が明らかになった。

その事実が判明すると、話はさらに面白くなった。これが社会的な恥に繋がり、彼女にはそれ相応の教訓が与えられたわけだ。

俺が設けた罠が、ただの復讐を超えて、予想外の正義を実現させた瞬間だった。傘を盗むような小さな悪が、どれだけ自分を困らせるかを身をもって教えられたことだろう。

(掲載に当たっては、本人の許可を得ております。)