みんなのスカッと体験談!!

私がインタビューしたスカッとする体験談を載せています。

#0004 レジの列で見せた正義

ハンドルネーム:ショッピングおばあちゃん

ある日、夕方の食品スーパーでのこと。夕食の買い物に最適な時間帯、私はいつものように買い物かごを片手に、レジの長い列に並んでいました。私、60代の年金生活者。人生経験も豊富で、世の中の不条理にも大なり小なり慣れてはいるつもりでした。しかし、その日見た光景は、私の中の正義感に火をつけたのです。

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「えっ、今、何が起こったの?」まわりの人々も驚く中、ある女性が平然と列に割り込んできました。その女性、30代に見え、体型はかなり太っており、長い髪はぼさぼさ。その上、周囲を威圧するような雰囲気をまとっていました。一瞬、列にいた私たちはその場の空気に飲まれ、言葉を失ってしまったのです。

しかし、私は思いました。「これは、ただ事ではない!」と。日頃から社会のルールやマナーに敏感な私は、この不条理に黙っているわけにはいかなかったのです。

その場にいた誰もが驚くような割り込み行為に直面し、一瞬の沈黙が流れました。だけど私は、ただ立ち尽くすわけにはいかなかった。周りの人たちを見渡し、私は深呼吸を一つ。そして、勇気を振り絞って、その女性に声をかけることにしました。

「すみません、列はこちらですよ」と私はできるだけ優しく、しかし確固たる意志を持って声をかけました。しかし、その女性の反応は予想外のものでした。

「あんたに何がわかるのよ!」と、その女性は怒鳴り返してきました。声は周囲に響き渡り、一瞬でスーパーの空気が凍りつきました。それでも、私は引き下がるわけにはいかなかった。これはただの個人的な怒りではなく、社会のルールとマナーを守るための正義の行動だと信じていたからです。

「みんながルールを守って並んでいるんです。どうか、列にお戻りください」と私はもう一度、静かに語りかけました。その時、他のお客さんも一緒になって、「そうですよ、列には順番があるんですから」と支持してくれました。

その女性は周囲の視線を浴びながらも、なおも怒りを露わにしていましたが、少しずつ周囲の圧力を感じ取っている様子でした。だが、彼女が次に取った行動は、誰もが予想だにしなかったものでした。

次の瞬間、その女性は怒りのあまり、手に持っていた買い物かごから何かを取り出しました。それは、カゴの中にあった卵のパックでした。彼女はそれを高々と掲げ、まるで戦闘の合図のように振りかざしました。私と他のお客さんは目を疑いました。

その女性は周りが何を言おうとも聞く耳を持たず、卵を取り出しては私たちの方に投げつけようとしました。しかし、近くにいた警備員が素早く反応し、彼女の腕を掴んで動きを止めました。その動作はあまりにも迅速で、卵は床に落ちることなく、事態はさらなる悪化を免れました。

警備員はその女性を落ち着かせようと試みましたが、彼女はさらに激しく抵抗し始めました。「離せ!私は何も悪いことをしていない!」彼女は叫び続けましたが、周りのお客さんたちはすでに彼女の行動に呆れていました。

この騒動を目撃した他のお客さんたちも、私と同じようにその女性の行動に驚き、そして怒りを感じていました。私たち一人一人が、日々の生活の中で守っている小さなルールやマナー。それを無視し、自分の欲望のままに振る舞う人間の姿に、多くの人が失望し、憤りを感じたのです。

そして、警備員は最終的にその女性を制御し、店の外へと連れて行きました。事態が収束すると、スーパー内には再び平和が戻りましたが、この出来事は私たち一人一人の心に深く刻まれました。

警備員に連れられて行くその女性の姿を見ながら、私は深いため息をつかずにはいられませんでした。それにしても、なぜ彼女はあそこまでして割り込みを試み、そして暴れたのでしょうか。私たちが普段当たり前だと思っているルールやマナーが、一部の人にとっては受け入れがたい制約となるのかもしれません。

事件が収束した後、レジの列に並んでいた他のお客さんたちと、何となく目を合わせ、軽く頷き合いました。言葉は交わさなくても、この出来事を通して私たちの間には確かな連帯感が生まれていたように感じました。私たちは、正義感や公共の場でのマナーを守ることの大切さを再認識したのです。

私がその女性に声をかけたのは、自分の怒りをぶつけるためではありませんでした。それは、一人の市民として、正しいと信じる行動をとるべきだと感じたからです。もちろん、その結果がすべての人に受け入れられるとは限りません。しかし、社会の中で生きていく上で、私たちは自分自身の価値観を持ち、時にはそれを声に出して表現することも大切なのです。

そして、もし再び同じような状況に遭遇したら、私はまた同じように行動するでしょう。なぜなら、私たちの小さな行動が、世界を少しずつでも良い方向へと導いていくことを信じているからです。

(掲載に当たっては、本人の許可を得ております。)