みんなのスカッと体験談!!

私がインタビューしたスカッとする体験談を載せています。

#0005 スイーツの山を築いたインスタグラマー

ハンドルネーム:甘党学生まりこ

私が友達とスイーツ食べ放題に行った日のことです。晴れやかな昼過ぎ、特別な計画を胸に秘めて、私たちは待ち合わせ場所で顔を合わせました。「今日は思いっきりスイーツを楽しむぞ!」友達のテンションも最高潮に達していました。

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その店は、様々な種類のスイーツが並び、見ているだけで幸せな気分になれる場所。テーブルに着くなり、私たちは待ちに待ったスイーツ攻めの開始です。そんな幸せな時間を共有する中、ふと気になる光景が目に飛び込んできました。

あるテーブルでは、30代くらいの女性が、目の前にスイーツの山を築いていました。彼女の手には高そうなカメラが握られており、一つ一つのスイーツを丁寧に撮影している様子。どうやら、あの人は有名なインスタグラマーのようでした。彼女の周りには、彼女の行動を見守る他の客の好奇の目が注がれていました。

しかし、私たちがスイーツを楽しんでいるうちに、あのインスタグラマーの行動は一変します。彼女はスイーツをひとつも食べずに、次々と別のものを取りに行き、また撮影を続けていました。そのスイーツの山はますます高くなるばかり。そして、彼女が席を立った後、そのテーブルを見て、私たちは愕然としました。ほとんどのスイーツが、一口も食べられずに残されていたのです。

「こんなに残して、もったいない!」友達が憤慨する声を上げました。私も同感で、その光景に腹が立ちました。食べ物を粗末にすることほど、許せない行為はありません。

SNSをチェックすると、すぐにそのインスタグラマーだと分かりました。彼女はその日のうちに、「#スイーツ天国 #食べ放題の楽園」といったハッシュタグと共に、撮影したスイーツの写真を次々とアップしていました。コメント欄では「素敵!」「どれも美味しそう」といった賞賛の声が溢れていましたが、その裏で実際にはほとんど手を付けられていないスイーツたちがあるとは、誰も知らないのです。

「これじゃあ、ただの見せかけじゃない…」友達が憤る中、私はその場の写真を数枚撮影しておきました。その人の行動には、何かしらの対価を支払わなければならないと感じたからです。

帰宅後、私はその日の出来事を、ある掲示板に匿名で投稿することにしました。投稿には、その人がスイーツを取るだけ取ってほとんど食べずに残した事実、そしてそのスイーツの山の写真を添えました。ただし、その人のプライバシーを考慮して、顔や識別可能な情報は一切伏せた状態で。

投稿は予想以上の反響を呼びました。多くの人がその無駄遣いに怒りを露わにし、「食べ物を大切にしないとは何事か」と非難の声を上げました。また、スイーツを愛する人々からは、「こんなことをしていると、本当に美味しいスイーツが食べられなくなる」という憂慮の声も上がりました。

その掲示板の投稿は、やがてSNSで拡散され、一部のネットニュースでも取り上げられるようになりました。そんな中、そのスイーツ食べ放題の店からも声明が出されました。「私たちは、お客様には可能な限り多くのスイーツを楽しんでいただきたいと考えていますが、食べ物を粗末にする行為は看過できません。今後、このような行為が見受けられた場合は、食べ残しの料金を請求させていただくこともあります」というものでした。

その人の行動が原因で、店側からの厳しい措置が示されたことで、彼女に対する批判はさらに高まりました。

その人のSNSは、一夜にして状況が一変しました。以前のような賞賛のコメントは影を潜め、代わりに「食べ物を大切にしない人を応援するわけにはいかない」「こんなことをする人がインフルエンサーなの?」といった批判の声が満載。彼女がアップした最新の投稿は、いつもの何倍もの速さで拡散され、しかもその内容は彼女を支持するものから批判へと変わっていました。

その人は当初、この批判の嵐に反応せず、いつものように自分の美しいスイーツの写真をアップロードし続けました。しかし、その投稿に対する反応は冷ややかなもので、フォロワー数も着実に減少していきました。

数日後、彼女はついに反応しました。SNSに長文の謝罪文を投稿し、「私の行動が多くの方々に不快感を与え、食べ物を大切にするという大切な価値観を軽視してしまったことを深く反省しています」と謝罪しました。しかし、その謝罪は既に手遅れで、彼女のイメージはすでに大きく傷ついていました。

そして、その人が決まりかけていた広告案件がキャンセルされる事態に。彼女が以前に楽しみにしていた大手のスイーツブランドとのコラボレーションも、この一件で水の泡となりました。SNSでの影響力は一時のものかもしれませんが、その行動が招く結果は深刻なものでした。

私と友達は、この一連の出来事を通じて、SNSがもたらす影響の大きさと、一個人の行動がどれだけ多くの人に影響を与えるかを改めて感じました。そして何より、食べ物を粗末にすることのないよう、自分たちも気をつけなければと強く思いました。

その人の行為によって引き起こされた騒動は、やがて落ち着きを見せ始めました。しかし、この出来事は多くの人々の心に、SNSの使い方や食べ物を大切にするという基本的な倫理について、深く考えさせるキッカケとなったのです。

(掲載に当たっては、本人の許可を得ております。)